浪人することになり、予備校や塾を探し始めると、説明会や個別相談へ参加することになります。
そこで、
「何を聞けばいいんだろう」
「説明を聞いて、どうやって良い塾か判断すればいい?」
「料金や合格実績だけ確認すればいい?」
と迷う人もいると思います。
私は大学受験の指導現場で、浪人生の入塾前面談にも関わってきました。
その経験から考えると、説明会は塾側の説明を聞くだけの場ではありません。
大切なのは、
自分が今どんなことで困っているのかを塾側が理解し、その課題をこの環境で解決できそうかを確かめること。
たとえば、説明会ではこんな質問が使えます。
- 「この塾に通う一番のメリットは何ですか?」
- 「逆に、デメリットや合わない人はどんな人ですか?」
- 「授業以外の自習は、どのように進めますか?」
- 「成績が思うように伸びなかった場合は、どうフォローしてもらえますか?」
- 「年間でかかる費用は、だいたいいくらからいくらですか?」
ただし、質問への答えだけで塾を決める必要はありません。
ホームページやパンフレットでは分からない考え方や雰囲気まで知り、説明会で聞いたことを実際の体験で確かめるところまでが塾選びだと私は考えています。
- 説明会では、まず「こちらの話を聞いてくれるか」を見る
- 最初に聞くなら「この塾の一番の強みは何ですか?」
- 説明担当者の印象だけで決めない
- 「大丈夫です。目指せますよ」と言われたら理由も聞く
- 授業回数より「授業以外にどう勉強するか」を聞く
- 「質問できますか?」ではなく、質問する方法を聞く
- 学習管理型なら「実際にどう管理するのか」を聞く
- 「成績が伸びなかったときはどうしますか?」と聞いてみる
- 先生について確認しておきたいこと
- 自習室も、できれば実際に見てみる
- 料金は「年間総額」で確認する
- 合格実績は「その数字が自分に関係するか」を見る
- 最終的には、体験して「相性」を見る
- こんな説明会には少し注意したい
- 説明会当日に入塾を決めなくていい
- 複数の塾を見るなら、同じ質問をしてみる
- まとめ|説明会は「信頼できそうか」を確かめる入口
- 次に読む記事
説明会では、まず「こちらの話を聞いてくれるか」を見る
こちらから何を質問するかも大切ですが、その前に見てほしいことがあります。
塾側が、あなたのことをどれくらい知ろうとしているか。
特に個別相談や入塾面談であれば、
- 現在の成績
- 志望校
- これまでどんな勉強をしてきたか
- どこで困っているのか
- 現役時代にうまくいかなかった理由をどう考えているか
- これからどんな受験生活を送りたいのか
といったことは、ある程度確認されるでしょう。
塾によっては、生活習慣や性格など、勉強以外の話まで聞くこともあります。
もちろん、大人数向けの合同説明会などでは、一人ひとりの状況まで詳しく聞けないこともあります。
それでも、個別相談の場で現在の課題をほとんど確認せず、自分たちのシステムや実績の説明だけが続くのであれば、少し気になります。
その人が何に困っているのか分からなければ、本来は「この塾が合っているか」も判断しにくいはずだからです。
そもそも自分が塾に何を求めるべきか整理できていない場合は、浪人生の塾・予備校の選び方で、まず「自分一人では何が難しいのか」から考えてみてください。
最初に聞くなら「この塾の一番の強みは何ですか?」
何を質問すればいいか分からないなら、
「この塾に通う一番のメリットは何ですか?」
と聞いてみるのがおすすめです。
その答えから、
- 授業
- 学習管理
- 質問環境
- 自習環境
- 講師との距離
- 特定大学への対策
など、その塾が何を強みにしているのかが分かります。
さらに一歩踏み込むなら、
「逆に、この塾のデメリットや、合わない人はどんな人ですか?」
と聞いてみてもいいでしょう。
どんな塾にも向き・不向きがあります。
ここでは「デメリットがあります」と言えるかどうかだけでなく、その説明が自分の状況と結びついているかも見てください。
誰に対しても使えそうな説明なのか。
それとも、
「あなたの場合は、この部分が合わない可能性があります」
と具体的に話してくれるのか。
答えの中身を見ると、その塾が自分たちをどう捉えているのかも見えやすくなります。
説明担当者の印象だけで決めない
説明会の担当者が感じの良い人だと、
「この塾、すごく良さそう」
と思うことがあります。
ただ、ここは少し冷静に考えた方がいいでしょう。
説明会の担当者は、話をするのが得意な人であることも多いものです。
説明が上手なことと、入塾後の環境が自分に合うことは別問題です。
説明担当者が、入塾後に日常的にあなたを指導するとは限りません。
最終的には、
- 実際に指導する先生
- 学習相談をする担当者
- 一緒に過ごす生徒
- 校舎全体の雰囲気
- 自習環境
- 質問のしやすさ
まで見て判断した方がいいでしょう。
説明会で好印象を持つこと自体は悪くありません。
ただ、その印象だけで決めないことが大切です。
「大丈夫です。目指せますよ」と言われたら理由も聞く
説明会では、
「大丈夫ですよ」
「十分目指せます」
「ここから頑張れば間に合います」
と言われることもあります。
本当にそう判断できる場合もあります。
ただ、結論だけではなく、
「なぜそう考えるのか」
まで聞いてみてください。
現在の学力のどこを見ているのか。
ここから何をどのくらい伸ばせば届くと考えているのか。
そこまで説明してもらえれば、より具体的な判断材料になります。
反対に、理由のない前向きな言葉だけでは、実際に何を根拠に判断しているのか分かりません。
ただし、説明会の短い時間だけでは、精密な見通しまで出せない場合があるのも当然です。
大切なのは、
「目指せます」「厳しいです」という結論そのものではなく、その判断が何を根拠に出されているのか。
そこを見ることです。
授業回数より「授業以外にどう勉強するか」を聞く
浪人生の塾選びでは、
「授業は週何回ですか?」
だけで判断しない方がいいと思います。
授業が多ければ多いほど、必ず成績が上がるわけではありません。
確認したいのは、
授業以外の時間を、どう使うことになるのか。
たとえば、
「授業の予習・復習を除いて、自分で勉強する時間はどのくらい取れますか?」
と聞いてみます。
ここで大切なのは、自習時間が長ければ良いということではありません。
授業と自習を含めて、その塾ではどんな一日を過ごすのかを知るための質問です。
もし、
「授業をしっかりやっていれば、それ以外はほとんど必要ありません」
という回答なら、
「その授業を受けたあと、合格した生徒は普段どのように勉強していましたか?」
など、実際の学習量まで聞いてみてもいいでしょう。
さらに、
- 自習内容は誰が決めるのか
- 学習計画を立ててもらえるのか
- 進捗を確認してもらえるのか
- 遅れた場合はどう修正するのか
まで聞けば、入塾後の生活がかなり具体的に見えてきます。
「質問できますか?」ではなく、質問する方法を聞く
「質問できますか?」
と聞けば、多くの塾が「できます」と答えるでしょう。
それだけでは、実際に自分が使える環境なのかまでは分かりません。
聞くなら、もう少し具体的にします。
- 何時から何時まで質問できるのか
- 予約は必要なのか
- どの科目でも対応できるのか
- 質問する先生は決まっているのか
- 対面なのかオンラインなのか
- どこへ行けば質問できるのか
などです。
たとえば、先生がいる場所へ自分から出向いて質問する仕組みを負担に感じる生徒もいます。
反対に、その方が気軽で使いやすいと感じる生徒もいるでしょう。
良い・悪いではなく、
「質問できる仕組みがあるか」ではなく、「自分が実際にその仕組みを使えそうか」
を見ることが大切です。
オンライン塾も候補に入れている場合は、質問対応だけでなく、科目指導や学習管理との組み合わせも確認しておきたいところです。
→ 浪人生向けオンライン塾を比較|授業・学習管理・質問対応から選ぶ
学習管理型なら「実際にどう管理するのか」を聞く
「学習計画を立てます」
「進捗を管理します」
という塾もあります。
ただ、この言葉だけでは実態は分かりません。
確認したいのは、
- 誰が計画を立てるのか
- 教科担当は計画に関わるのか
- 全科目をまとめて見る担当者はいるのか
- どのくらいの頻度で見直すのか
- 遅れたときはどう調整するのか
といった部分です。
学習管理の仕組みは塾によってさまざまです。
教科担当が中心になって考えるところもあれば、全体を見る担当者がいるところ、システムや共有ツールを使って情報をまとめるところもあります。
どの形が良いと一概には言えません。
確認したいのは、
その生徒の状況に合わせて計画が更新され、科目間のバランスまで考えられる仕組みになっているか。
という部分です。
「学習管理があります」という言葉だけでなく、実際にどう進めるのかまで聞いてみてください。
学習計画や進捗管理の方法を複数の塾で比較したい場合は、浪人生向け学習管理型塾15サービスの比較記事で、日々の実行管理・理解度確認・計画修正の違いを整理しています。
→ 浪人生向け学習管理型塾を比較|毎日管理・計画・質問・科目指導で選ぶ
学習管理だけでなく、集団授業・個別指導・オンラインなど、そもそも自分にはどんな指導形式が合うのか迷っている場合は、浪人生の予備校・塾はどのタイプが合う?でそれぞれの特徴を比較しています。
「成績が伸びなかったときはどうしますか?」と聞いてみる
うまくいった場合の説明は、どの塾でもしやすいものです。
だからこそ、
「もし成績が思うように伸びなかった場合は、どのようなフォローをしてもらえますか?」
と聞いてみると、その塾の考え方が見えます。
たとえば、
「何が原因なのかを確認して、勉強方法や教材、学習量、計画などを見直しながら改善方法を考えます」
という回答なら、原因から考えようとしていることが分かります。
一方で、
「伸びなければ教材を変えます」
のように、原因を確認する前から対策だけが決まっているのであれば、少し気になります。
もちろん、教材を変えること自体が悪いわけではありません。
教材変更が必要な場合もあります。
問題なのは、なぜ伸びなかったのかを考えず、対策だけが先に決まっていることです。
成績が伸びない理由は、生徒によって違います。
何を変えるかより、まず原因をどう探すのか。
そこに、その塾の指導の考え方が出やすいと思います。
先生について確認しておきたいこと
講師について説明会で確認できるのは、
- 担当は固定か
- 毎回変わる可能性があるか
- 相性が合わない場合に変更できるか
- 体験時と入塾後で担当が変わることはあるか
といったところです。
また、
「プロ講師だから安心」
「学生講師だから不安」
と、肩書きだけで決める必要もありません。
講師の経験や属性は一つの情報にはなりますが、それだけで自分との相性や指導の質まで分かるわけではありません。
説明会では、まず実際に誰から、どのような形で指導を受けるのかを確認しておくといいでしょう。
自習室も、できれば実際に見てみる
自習室については、
- 開室時間
- 席数
- 混雑状況
- 私語の有無
- 毎日利用できるか
などを確認できます。
ただ、それ以上に大切なのは、
「自分がここで一年間勉強できそうか」
という感覚です。
可能なら、
「体験期間中に自習室も利用できますか?」
と聞いてみてください。
利用できなくても、見学できるか確認してみてもいいでしょう。
机や設備が豪華かどうかよりも、自分が長時間過ごして集中できそうかを見る方が大切です。
料金は「年間総額」で確認する
料金は、毎月の授業料だけを比較しないようにしてください。
確認したいのは、
一年間通った場合、最終的にどのくらいかかる見込みなのか
です。
授業料以外にも、
- 入会金
- 教材費
- 施設費
- 季節講習
- 追加授業
- 模試
- 管理費
- オプション料金
などが発生する場合があります。
おすすめなのは、
「通常想定される範囲で、年間総額はだいたいいくらからいくらになりますか?」
と聞くことです。
金額が一つに決められない場合は、
「その幅は、どんな条件で変わりますか?」
まで聞いてみてください。
入塾後に追加費用が発生する条件が分かれば、他の塾とも比較しやすくなります。
授業料以外にどんな費用がかかるのか、年間総額をどう比較すればいいのかは、浪人生の予備校・塾費用|年間総額と追加料金の注意点で詳しく整理しています。
合格実績は「その数字が自分に関係するか」を見る
合格実績は分かりやすい数字なので、どうしても目につきます。
ただ、塾全体の大きな合格者数だけでは、自分にとってどの程度参考になるのか分かりません。
聞くなら、
- 自分が通う予定の校舎
- 入る予定のコースやクラス
- 自分と近い学力帯
など、できるだけ自分に近い条件の実績があるか確認してみるといいでしょう。
ただし、校舎やコース単位になるほど人数は少なくなり、年度によるばらつきも大きくなります。
可能なら、一年だけの数字ではなく、複数年でどのような傾向があるのかまで確認すると参考にしやすくなります。
合格実績では、
数字の大きさだけでなく、その数字が自分にどれくらい関係するのか
を見るようにしてください。
最終的には、体験して「相性」を見る
説明会だけで確認できることには限界があります。
可能であれば、実際の授業や校舎の環境を体験・見学してから判断することをおすすめします。
体験では、
- 先生と話しやすいか
- 質問しやすいか
- 自習しやすいか
- 学習の進め方が自分に合いそうか
- 他の生徒の雰囲気が合うか
- 長時間過ごして苦痛ではないか
といったところを見ます。
特に大切なのは、
その塾に自分の居場所を作れそうか。
という感覚です。
どれだけシステムが良くても、先生や生徒、校舎の雰囲気が合わず、行きたくなくなれば勉強時間も減ってしまいます。
そして、
説明会で聞いた話と、実際の環境が一致しているか
も確認してください。
体験制度がない場合でも、授業見学や校舎見学、短期講習など、実際の環境に触れられる方法がないか聞いてみてもいいでしょう。
説明会で聞いたことを、その後に自分の目で確かめる。
この二段階で考えると、塾選びの失敗を減らしやすくなります。
こんな説明会には少し注意したい
一つ当てはまっただけで悪い塾と決める必要はありません。
ただ、私なら次のような場合は少し慎重になります。
- 他塾の悪口ばかり言う
- 合格実績の話ばかりする
- 本人の現状や課題をほとんど聞かない
- 必要以上に不安を煽る
- 最初から大量の授業やオプションを勧める
- その場で契約を急かす
- 本人がほとんど会話に参加しない
- メリットしか説明しない
それぞれ事情があるので、一つだけで判断する必要はありません。
ただ、複数当てはまるのであれば、
「なぜこういう説明になっているんだろう」
と一度立ち止まって確認してみてもいいでしょう。
特に浪人生の場合、実際に一年間勉強する本人が納得できているかは大切です。
説明会当日に入塾を決めなくていい
説明を聞いて、
「ここにしよう」
と思うことはあるでしょう。
それでも私は、一度持ち帰って考えることをおすすめします。
もちろん、
- 定員が決まっている
- 申込期限がある
- 本当に期間限定のキャンペーンがある
といったケースもあります。
期限があること自体が悪いわけではありません。
ただ、それでも数時間の説明だけで焦って決める必要はありません。
「一度持ち帰って検討したいです」
と伝えたとき、どのように対応されるかも一つの手がかりになります。
浪人生活の多くの時間を過ごし、大きなお金を払う場所です。
説明を聞く。
一度冷静に考える。
可能なら実際の環境を確認する。
そのうえで、
「ここなら自分の課題を解決するために一年間頑張れそうだ」
と思えたところで決めればいいと思います。
塾探しをいつ始め、説明会や体験をどの時期に進めればいいのか迷っている場合は、浪人生は予備校・塾にいつから通う?で、情報収集から入塾までの流れを整理しています。
複数の塾を見るなら、同じ質問をしてみる
いくつかの予備校や塾を比較するのであれば、同じ質問をしてみるのもおすすめです。
たとえば、
- この塾の一番の強みは何か
- 合わない人はどんな人か
- 成績が伸びない場合はどうするか
- 自習はどう進めるか
- 年間でどのくらい費用がかかるか
をそれぞれの塾で聞いてみます。
同じ質問だからこそ、回答の違いが見えてきます。
パンフレットの情報だけを並べるよりも、
「同じ問いに、それぞれの塾がどう答えるか」
を比較した方が、塾ごとの考え方や特徴をつかみやすくなります。
まとめ|説明会は「信頼できそうか」を確かめる入口
この記事で紹介した質問を、全部聞く必要はありません。
自分が特に気になるものを2〜3個選んで聞いてみるだけでも、その塾の考え方はかなり見えてきます。
そのうえで確認したいのは、
自分の課題をこの塾が理解し、それを解決するために一緒に考えてくれそうか。
ということです。
ホームページやパンフレットでは分からない考え方を説明会で知り、実際の環境を見て確かめる。
説明会は入塾を決める場というより、「この塾をもう少し信頼してみていいか」を確かめる入口。
そのくらいに考えておくと、説明担当者の話だけに流されず、自分に合った環境を選びやすくなると思います。
次に読む記事
そもそも自分に合う塾の選び方から整理したい人へ
説明会で何を聞くか以前に、「自分は塾に何を求めているのか」がまだ整理できていない場合はこちらへ。知名度や合格実績だけではなく、自分の課題から塾を選ぶ考え方を整理しています。
→ 浪人生の塾・予備校の選び方
集団・個別・学習管理など、どのタイプが合うか迷っている人へ
説明会を回る前に、集団授業・個別指導・学習管理・オンラインの違いを知り、自分に必要なサポートを整理したい場合はこちらへ。
→ 浪人生の予備校・塾はどのタイプが合う?
入塾前に年間でかかる費用も比較しておきたい人へ
説明会で提示された授業料だけでなく、季節講習や教材費、施設費、追加料金まで含めて年間総額を確認したい場合はこちらへ。
→ 浪人生の予備校・塾費用|年間総額と追加料金の注意点