浪人生の秋からの勉強法|夏までに伸びなかったとき何を見直す?

開いた本と羅針盤、淡い青の学習空間を背景に「浪人生の 秋からの勉強法 夏までに伸びなかったとき、何を見直す?」と書かれたアイキャッチ画像 浪人生活・勉強法

「夏まで頑張ったのに、思ったほど成績が上がっていない」

「秋になったけれど、このまま同じ勉強を続けていいのか不安」

「過去問を始めるべきか、まだ基礎を続けるべきか分からない」

9月、10月になると、こうした相談はかなり増えてきます。

模試の結果が返ってきたり、周囲が過去問を始めたりして、焦りを感じる人もいるでしょう。

ただ、最初に押さえておきたいことがあります。

浪人生にとって、春・夏・秋で使える時間そのものは大きく変わりません。

高校生なら夏休みがあり、普段とは違う時間の使い方ができます。

一方、浪人生は春も夏も秋も、一日の大部分を受験勉強に使えるという意味では基本的に同じです。

だから、

「夏だから一気に追い込む」

「秋だから急に勉強量を増やす」

という考え方だけでは、本質的ではありません。

それでも、秋には一つ大きな変化があります。

夏までに積み上げてきたものを、実際の得点につなげていく時期になることです。

この記事では、夏までの勉強が思うように点数へつながっていないときに、何を変え、何を変えずに続けるべきかを整理します。

浪人生にとって秋は「変わる」時期

一般的には、春から夏にかけて基礎や土台を固め、秋以降は実戦的な演習へ移っていきます。

つまり秋は、

「知っている・できる」を「点が取れる」に変える時期

です。

ところが、実戦問題を解き始めると、それまで見えていなかった課題が出てきます。

知識はあるのに時間内に解けない。

参考書では解けていたのに、少し形が変わると対応できない。

覚えたはずの知識が、本番形式では出てこない。

ここで大切なのは、

「もっと勉強時間を増やそう」

「もっと頑張ろう」

だけで終わらせないことです。

志望校に届いていないなら、そこには何かしら原因があります。

その原因によっては、今までのやり方を変える必要もあります。

それまで頑張ってきた分、自分のやり方を否定するようで苦しく感じることもあるでしょう。

それでも合格したいのであれば、

必要なところは変える。

その覚悟は必要だと思います。

ただし「変わる」と「何でも変える」は違う

秋になって結果が出ないと、

新しい参考書を買う。

授業や講習を増やす。

今までの勉強法を急にやめる。

といったことを始める人がいます。

指導現場でも、焦ってこちらが言っていないことを始めたり、自分の判断だけで勉強内容を変えたりする生徒はいます。

特にこの時期は、周囲が過去問を進めていたり、模試の判定が返ってきたりすることで、

「自分も何か変えなければ」

と思いやすくなります。

ただ、必要なのは、

何かを変えることではなく、原因を解決するために必要なものだけを変えること

です。

点数が取れない原因が試験形式への慣れ不足なら、時間配分や演習量を調整すればいい。

一方で、以前解いたはずの基本問題を落としていたり、覚えた知識が抜けていたりするなら、これまでの勉強方法そのものを見直す必要があります。

また、解決策が「増やす」とは限りません。

複数の教材に手を広げて一つひとつが浅くなっているなら、新しい教材を足すより、今あるものを絞って仕上げる方がいいこともあります。

増やすのではなく、減らして深くやる。

これも秋の修正の一つです。

勉強時間を増やす前に、今ある時間の使い方や優先順位を見直したい場合は、浪人生の勉強時間と1日のスケジュールの考え方も参考にしてみてください。

夏までに伸びなかったら「何が出せていないのか」を見る

模試の判定も一つの材料ですが、私は判定そのものより、

今まで勉強してきたものを、実際の問題でアウトプットできているか

を見ます。

模試の判定ではなく、どこで得点でき、なぜ失点したのかを具体的に見直す方法は、浪人生の模試の使い方で詳しく整理しています。

同じ「点数が低かった」でも、原因によって次にやることは違います。

状態考えられる問題見直す方向
解き方は分かるが時間が足りない実戦経験・時間配分演習を増やし、解く順番や時間配分を調整する
何度も学習した問題を落とす知識や解法の定着不足基礎・復習の方法を見直す
解説を読めば分かるが自力で再現できない「分かった」で止まっている何も見ずに解く・説明する練習を増やす
問題の形が少し変わると対応できない知識を使う練習が不足実戦演習の中で使い方を身につける

だから、秋に成績が伸びていないからといって、すべての勉強を変える必要はありません。

何ができていて、何が点数に変換できていないのか。

まずそこを切り分けることが重要です。

もし「そもそも、なぜ成績が伸びていないのか」から整理したい場合は、浪人生の成績が上がらない原因と見直し方で、勉強量・理解・計画・勉強方法などの観点から詳しく整理しています。

実戦演習にはいつ入る?「時期」より科目の完成度で考える

秋になると、

「そろそろ過去問を始めた方がいいですか?」

という質問も増えます。

指導していると、本格的な過去問演習は秋から始めるケースが多いですが、「9月だから全員開始」とは考えていません。

むしろ私は、7月頃に一度、既習範囲に限って志望校の問題に触れておくことには意味があると思っています。

目的は、

最終的にどんな問題を解けるようになる必要があるのかを知ること

です。

7月頃に触れる過去問は、現在地とゴールを知るためのもの。

秋からの過去問演習は、これまで積み上げた力を実際の得点へ変えていくためのもの。

同じ過去問でも、役割が少し違います。

そのうえで夏に土台の最終調整を行い、準備ができた科目から本格的な演習へ移っていきます。

英語は過去問に入れるけれど、数学はまだ基礎を続ける。

そういう進み方でも問題ありません。

また、基礎が完全に終わっていないからといって、必ず実戦演習を避けるわけでもありません。

標準的な問題が中心の大学なら、過去問や実戦問題を解きながら見つかった穴を、その都度基礎へ戻って埋める方法もあります。

一方、高難度の大学を目指していて、その前提となる基本事項が不足しているなら、過去問を解いても学べることが少なくなります。

その場合は、基礎を続ける。

あるいは志望校そのものを再検討する。

という判断も必要です。

大切なのは、

「秋だから過去問」「秋だから基礎卒業」と決めるのではなく、志望校の問題を解くために今その科目に何が必要なのかを見ること

です。

過去問を始める具体的なタイミングだけでなく、6〜7月に一度触れる目的や、秋以降の解き方・復習・分析まで含めた使い方は、浪人生は過去問をいつから始める?始める時期と使い方で詳しく整理しています。

共通テストと二次・私大対策は「配点」から考える

共通テストと二次・私大対策の比率も、時期だけでは決められません。

まず確認したいのは、志望校の配点です。

共通テストが合否にどの程度影響するのか。

二次試験の比重はどのくらいなのか。

何科目必要なのか。

私立大学をどの程度併願するのか。

ここを整理するところから始めます。

たとえば、第一志望の国公立が共通テスト重視で、私立は安全校中心なら、共通テスト対策をかなり重くする戦略もあります。

共通テストで第一志望の優位を作り、私立も共通テスト利用で押さえる。

そのうえで必要な二次・私大対策を残す、という考え方です。

逆に二次試験の配点が大きい大学なら、早い段階から共通テスト対策へ大きく寄せすぎることが不利になる場合もあります。

さらに、

  • 本人の志望度
  • 現在の学力
  • 私立大学の志望順位
  • 入試問題との相性
  • 家庭として許容できる進学条件

まで考える必要があります。

志望校は、最終的には本人が決めるものだと考えています。

ただ、現実には学費や通学範囲、浪人継続の可否など、家庭側の条件が進路選択に影響することもあります。

だから「11月になったら共通テスト中心」と決めるのではなく、

志望校の配点と現在地から、どこに時間を使えば合格可能性が高まるのか

を考えることが大切です。

9〜10月に志望校を下げるか迷ったら

模試は、今の課題を見る材料であると同時に、志望校そのものを考え直すきっかけにもなります。

9〜10月になると、

「このまま第一志望を目指していいのか」

という相談も増えます。

ただ、私は模試の判定だけを理由に、

「この判定だから志望校を下げよう」

と一方的に決めることはありません。

見るべきなのは、

第一志望を維持する場合と、変更する場合の両方のメリット・デメリット

です。

特に注意したいのが、受験科目の違いです。

第一志望だけ漢文が必要。

第一志望だけ理科を2科目仕上げる必要がある。

といった場合、その対策へ時間を割くことで、第二志望以下でも使う主要科目の完成度が下がる可能性があります。

つまり、

第一志望を追うことで、第二志望以下の合格可能性まで下げてしまうことがある。

逆に志望校を変更すれば、必要な科目や対策を絞り、完成度を上げられる場合もあります。

だから、

  • 第一志望への思い
  • 現在の学力
  • 残された時間
  • 必要な受験科目
  • 第二志望以下まで含めた合格可能性

を並べて考えます。

そのうえで本人が覚悟を決めたなら、第一志望を追う選択も、現実的に志望校を変更する選択もありです。

大切なのは、

その選択が第一志望だけではなく、受験全体にどう影響するのかまで考えること

です。

そもそも浪人するときに、どこまで上の志望校を目指していいのか迷っている場合は、浪人生が志望校を上げるときの判断基準もあわせて読んでみてください。

まとめ|秋は「何でも変える時期」ではなく「必要なものを変える時期」

浪人生にとって、春・夏・秋で使える時間が大きく変わるわけではありません。

ただ、秋は夏までに積み上げたものを、実際の得点につなげていく時期です。

そこで結果が出なかったとき、

「もっと頑張ろう」

だけで終わらせない。

なぜ結果が出ていないのか。
続けるべきものは何か。
変えるべきものは何か。

を考える。

そして、過去問や共通テスト対策、志望校まで含めて、その答えは人によって変わります。

秋に必要なのは、すべてを壊してやり直すことではありません。

変えるべきところを変え、変える必要のないところは淡々と続ける。

その判断が、秋以降の勉強では重要だと思います。

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