「せっかく浪人するなら、現役のときより上の大学を目指したい」
「現役ではGMARCHに届かなかったけれど、浪人して早慶を目指すのは無謀?」
「一年間勉強に集中できるなら、志望校を2ランク、3ランク上げてもいいのでは?」
浪人が決まると、こう考える人は少なくありません。
実際、現役時代より高い大学を第一志望に設定する浪人生もいます。
まだ浪人するか、受かった大学へ進学するか自体で迷っている場合は、「浪人するか進学するかの判断基準」から整理してみてください。
ただし、最初に伝えておきたいのは、浪人したからといって、志望校を大きく上げられるのが普通ではないということです。
浪人すれば、現役時代より受験勉強に使える時間は増えます。
しかし、一年間増えたからといって、自動的に学力が2ランク、3ランク上がるわけではありません。
一方で、
「現役で届かなかったのだから、それより上の大学は最初から諦めるべき」
という話でもありません。
大切なのは、単純に志望校を上げる・下げるではなく、今の実力、学習する力、勉強量、実際の行動、そしてその大学に本当に行きたいという意志を見ながら判断することです。
この記事では、浪人するときに志望校をどこまで上げていいのか、その判断基準を考えていきます。
浪人したら志望校は上げられる?
結論から言えば、浪人を機に志望校を上げること自体は問題ありません。
現役時代には間に合わなかった大学を、もう一年かけて目指す。
それ自体は自然な選択です。
ただし、
「浪人する=今より2ランク、3ランク上を目指せる」
と考えるのはおすすめできません。
志望校を上げることと、学力が上がることは別
当然ですが、第一志望を早稲田大学に変えた瞬間に、早稲田大学へ近づくわけではありません。
志望校はあくまで目標です。
学力は、その目標に必要な勉強を積み重ねた結果として身についていきます。
ここを混同すると、
「早慶を目指しているから、少なくともGMARCHには受かるだろう」
「浪人して難関大学を目指しているのだから、現役時代より上には行けるだろう」
と考えてしまいます。
しかし、目標を高く設定することそのものに、学力を上げる効果があるわけではありません。
大切なのは、どこを志望しているかではなく、その大学に必要な学力へ実際に近づけているかです。
まずは「現役で実際にどこまで受かったか」を現在地にする
浪人後の志望校を考えるなら、まず現在地をできるだけ正確に見る必要があります。
そのとき、一つの重要な材料になるのが、現役時代に実際にどの大学まで合格できたのかです。
「第一志望だった大学」より「実際に受かった大学」を見る
例えば、
現役時代は早慶を第一志望にしていた。
しかし、早慶・GMARCHには合格できず、日東駒専には合格できた。
この場合、浪人開始時点の実力を考える材料として重要なのは、
「早慶を目指していた」
という事実より、
「実際の入試では日東駒専まで合格できた」
という結果です。
もちろん、入試には問題との相性や当日の出来もあります。
一つの合否だけで学力のすべてが決まるわけではありません。
それでも、
「模試で一度A判定を取った」
「ずっと早慶志望だった」
という情報だけで現在地を高く見積もるより、実際の入試結果を一度冷静に見る方が現実的です。
一つの目安として「現役時の合格校より一段上」を考える
浪人後の志望校を考えるとき、一つの現実的な目安として、現役時代に実際に合格した大学群の一段上から考えてみてもよいでしょう。
例えば、
日東駒専に合格したならGMARCH。
GMARCHに合格したなら早慶。
といった考え方です。
ただし、これは統計的な上限でも、「浪人生は一段しか上がれない」という話でもありません。
あくまで、現在地を必要以上に高く見積もらないための目安です。
日東駒専→GMARCH、GMARCH→早慶は一例にすぎません。
現在地がどこであっても、まずは「実際に合格できた層の一段上」くらいから現実的な距離を考えるという見方は同じです。
そこからさらに2段、3段上の大学を目指したいのであれば、一段上を目指す場合よりも、さらに大きな学力の伸びが必要になるという認識を持っておきましょう。
なぜ浪人生は志望校を大きく上げたくなるのか
浪人すると、
「せっかく一年やるなら、もっと上を目指したい」
と思いやすくなります。
その気持ち自体は悪いものではありません。
ただ、そこに影響しやすいのが、いわゆる「逆転合格」の成功例です。
逆転合格の事例は目立ちやすい
「偏差値40から早慶合格」
「E判定から難関大学合格」
「ほとんど勉強していなかった状態から一年で大逆転」
こうした事例は、とても目立ちます。
実際に、そのような合格をする受験生もいます。
しかし、
成功例が存在することと、それが誰にでも再現できることは別です。
大きく成績を伸ばす人は、単純に「頑張ったから伸びた」というだけではないことがあります。
現役時代まで勉強量が少なかった。
しかし、文章を読む力や人の説明を理解する力は高かった。
必要な勉強量を長期間続けられた。
指導されたことを修正できた。
志望校に対する強い意志があった。
そうした条件が重なって、大きな伸びにつながっている場合があります。
逆転合格を見て、
「この人ができたなら、自分も一年あれば同じように伸びる」
と考えるのではなく、その人が何を持っていて、何をどれだけやった結果なのかまで見る必要があります。
浪人生が思ったほど成績を伸ばせない理由や、勉強をどう見直せばいいのかについては、「浪人生の成績が上がらない原因と見直し方」で詳しく整理しています。
大きく志望校を上げられる人に必要な4つの条件
現役時代の結果から2ランク、3ランク上の大学を目指すのであれば、普通以上の伸びが必要です。
そのとき、少なくとも次のような部分は重要になります。
① 学習の土台となる力がある
よく「地頭がいい」という言葉が使われます。
ただ、それだけでは曖昧なので、もう少し具体的に考えてみましょう。
例えば、
- 文章を論理的に読める
- 人の説明を正確に聞ける
- 「なぜそうなるのか」を掘り下げられる
- 一度学んだことを別の問題に応用できる
- 自分が分かっていない部分に気づける
といった力です。
現役時代までの勉強量が少なかっただけで、こうした土台がある人は、勉強量が増えたときに大きく伸びることがあります。
反対に、長時間勉強すれば誰でも同じ速度で伸びるわけではありません。
大幅な逆転を目指すなら、どれくらいの速さ・深さで学習した内容を吸収できるかも重要になります。
② 必要な勉強量を長期間続けられる
2ランク、3ランク上の大学を目指すのであれば、当然かなりの学習量が必要になります。
ここで言いたいのは、
「全員、毎日12時間勉強しなければいけない」
ということではありません。
必要な勉強量は、現在地や科目数、志望校によって違います。
ただし、現役時代から大きく上を目指すのであれば、必要な時期には毎日12時間以上勉強するような生活でも継続できるだけの勉強体力が求められることはあります。
一日だけ長時間勉強できればいいわけではありません。
それを何週間、何か月と続ける体力。
集中力。
睡眠や食事を整えながら体調を維持する力。
毎日同じように勉強へ向かう生活管理。
こうしたものまで含めて「勉強体力」です。
そして、12時間以上の勉強時間を確保するのであれば、一日の使い方をかなり整理する必要があります。
睡眠を削るのではなく、受験勉強以外に使っている時間を大きく減らすという考え方です。
ゲームもしたい。
友達とも頻繁に遊びたい。
SNSも好きなだけ見たい。
でも志望校は2ランク、3ランク上げたい。
それでは、必要な物量を確保できない可能性があります。
大幅な逆転を目指すのであれば、少なくとも現役時代と同じように娯楽や遊びの時間を確保したまま達成できるとは考えない方がよいでしょう。
高い目標を置くなら、その分だけ受験勉強の優先順位も上げる必要があります。
ただし、睡眠を削ったり、体調を崩したりしてまで勉強するという意味ではありません。
継続できなくなれば、結局は必要な勉強量を確保できないからです。
何時間勉強するかではなく、志望校との差から必要な勉強量を考える方法については、「浪人生の勉強時間と1日のスケジュールの考え方」で詳しく解説しています。
③ 志望校に必要な行動を選び続けられる
高い志望校を目指すなら、その大学に必要な行動を日々選び続ける必要があります。
見るべきなのは、
「行きたい」
という言葉だけではありません。
必要な勉強量を確保できるか。
苦手なことにも取り組めるか。
決めた課題を継続できるか。
そうした実際の行動が伴っているかが重要です。
この点については、後ほどもう少し詳しく考えます。
④ フィードバックを受け入れて修正できる
大きく学力を伸ばすためには、
「自分のやり方を貫く力」
だけでなく、必要なときに自分のやり方を変えられる力も重要です。
例えば先生から、
「その復習方法では足りない」
「もっと途中式を書いた方がいい」
「過去問より先に基礎をやり直した方がいい」
と言われたときに、すべてを跳ね返してしまえば、改善の機会を失います。
もちろん、先生の言うことがすべて正しいわけではありません。
それでも、
- 指摘を一度受け止める
- なぜそう言われたのか考える
- 必要なら試してみる
- うまくいかなければまた修正する
という姿勢は必要です。
分からないことを相談できる。
助けが必要なときに助けを求められる。
周囲からのフィードバックを使って、自分を修正できる。
こうした力も、大きく伸びるための重要な要素です。
高い志望校を掲げるなら「言葉」ではなく「行動」で見る
高い志望校を目指すとき、一番分かりやすい判断材料の一つが日々の行動です。
「行きたい」と「目指している」は違う
「早慶に行きたい」
というのは願望です。
「早慶を目指している」
というのは、その大学に必要な行動を実際に続けている状態です。
例えば、
「絶対に早稲田に行きたい」
と言っていても、
- 必要な課題をやらない
- 苦手科目を避ける
- 必要な勉強時間を確保しようとしない
- 指摘されたことを直さない
- 娯楽の時間を減らせずにいる
という状態が長く続いているのであれば、言葉と行動が一致していません。
逆に、今の学力が志望校に遠く届いていなくても、
- 毎日必要な課題をやる
- 苦手科目から逃げない
- 必要な勉強量を確保する
- 指摘されたことを修正する
- 結果が出ない時期も続ける
という行動ができているのであれば、実際にその大学を目指していると言えるでしょう。
大きく志望校を上げる場合、最初は今の実力では届かないこともあります。
だからこそ、見るべきなのは、
今できるかどうかだけではなく、必要なことをやり続けられているか
です。
高い志望校を掲げるのであれば、その目標に見合う行動も必要です。
「GMARCHに受かりたいなら早慶を目指せ」は本当?
受験指導では、
「GMARCHに受かりたいなら、最初から早慶を目指した方がいい」
と言われることがあります。
しかし、この考え方はそのまま受け取らない方がいいでしょう。
「早慶に受かる人はGMARCHにも受かる」と「早慶を目指せばGMARCHに受かる」は別
早慶に合格できるだけの学力を身につけた人が、GMARCHにも対応できる可能性が高い。
これは不自然な話ではありません。
しかし、早慶を目標にして勉強している人なら、早慶には届かなくてもGMARCHには自動的に受かるとは限りません。
ここでは、
「早慶に合格できる学力へ到達した」
ことと、
「早慶を目標として掲げた」
ことが混同されています。
早慶を第一志望にしただけで、早慶レベルの学力が身につくわけではありません。
結局必要なのは、そのレベルに到達するための勉強を実際にこなし、必要な能力を身につけることです。
共通する土台はあっても、大学ごとに必要な対策は違う
もちろん、単語力や文法知識、読解力、基礎的な計算力など、複数の大学で共通して必要になる土台はあります。
早慶に合格できるだけの学力を持つ人が、GMARCHにも対応しやすいのは、こうした土台が十分に身についていることも理由の一つです。
ただし、その土台の上で、
どの問題を、どれくらいの難度で、どの速度・精度で解ける必要があるのか
は大学・学部ごとに違います。
例えば、
- 出題形式
- 問題の難度
- 配点
- 制限時間
- よく出る分野
- 求められる処理速度
などです。
ある大学では難しい問題を深く考える力が重要でも、別の大学では標準的な問題を速く正確に処理する力の方が重要なこともあります。
そのため、
「GMARCHが第一志望だけど、早慶向けの勉強をしていれば勝手にGMARCHにも受かる」
とは限りません。
GMARCHに行きたいのであれば、その大学・学部に合格するために必要な力を伸ばすことが基本です。
その大学が実際にどんな力を求めているのかを具体的に知るには、過去問を見るのが分かりやすいです。過去問に触れる時期や、解いた結果をその後の勉強へどう生かすかは、浪人生は過去問をいつから始める?始める時期と使い方で詳しく整理しています。
高い目標を持つこと自体は悪くありません。
ただし、高い目標を持つことと、必要以上に高い志望校を設定することは別です。
志望校は、高ければ高いほどいいものではありません。
最初から高い志望校を諦める必要もない
ここまで読むと、
「では、現役時代に全然届かなかった大学は最初から諦めた方がいいのか」
と思うかもしれません。
そうとも限りません。
能力の一部は、実際に勉強してみないと分からない
浪人開始時点では、
その人がどれくらい勉強量を増やせるのか。
どれくらいの速度で知識を吸収できるのか。
指導されたことをどれくらい修正できるのか。
一年間どこまで継続できるのか。
まだ分からない部分があります。
現役時代まで十分に勉強していなかった人なら、なおさらです。
だから、本人が本気で行きたいのであれば、最初から可能性を閉じる必要はありません。
ただし、目標だけ高く設定して様子を見るのではなく、その大学に必要な要求水準で実際に勉強してみる。
そこまでがセットです。
最初の2〜3か月で「本当に目指せているか」を確認する
高い志望校を設定したら、その後は実際の学習を見ながら判断していきます。
最初の段階で、
「絶対に無理」
「絶対にいける」
と決めきる必要はありません。
2〜3か月勉強してみるだけでも、見えてくることはかなりあります。
志望校だけでなく、教材や学習ペースも最初からすべて決め切る必要はありません。1年間の大枠をどう作り、実際の学習状況に合わせて調整していくかは、浪人生の1年間の勉強計画で整理しています。
見るのは成績だけではない
確認したいのは、
- 必要な課題を継続できているか
- 必要な勉強量を確保できているか
- 指摘されたことを修正できているか
- 理解する速度はどうか
- 苦手なことから逃げていないか
- 学習した内容が実際に身についているか
- 言葉と行動が一致しているか
といった部分です。
もちろん成績も見ます。
ただ、浪人開始から2〜3か月で模試の判定が劇的に変わるとは限りません。
そのため、判定だけでなく、日々の勉強から「この先伸びていくための行動ができているか」を見ることが大切です。
「狙えるか」と「目指せているか」は少し違う
今の学力だけを見れば、まだ合格可能性が低い。
それでも、
必要な量をこなし、
できなかったことが少しずつできるようになり、
指摘したことも修正し、
本人の気持ちも続いている。
この状態なら、挑戦を続ける意味があります。
反対に、能力以前に必要な行動を続けられていないのであれば、志望校との距離はなかなか縮まりません。
最初の2〜3か月は、「今受かりそうか」だけではなく、「本当にそこを目指す生活ができているか」を確認する期間と考えてもよいでしょう。
模試のE判定だけで志望校を下げなくていい
志望校を考えるうえで、模試の判定も重要な材料の一つです。
ただ、
「E判定だったから志望校を下げる」
と機械的に判断する必要はありません。
判定は志望校判断の材料の一つ
模試で見るべきなのは、判定だけではありません。
例えば、
- これまで勉強した範囲が得点につながっているか
- 覚えた知識を初見問題でも使えているか
- 問題を解く速度が上がっているか
- 同じ失敗を繰り返していないか
- 学習してきた内容を試験形式でもアウトプットできているか
といった部分です。
日々の学習状況を詳しく把握できているのであれば、模試判定は志望校を判断するための一つの参考資料という位置づけになります。
そもそも模試の判定をどう受け止め、結果のどこを見ればいいのかは、浪人生の模試の使い方で、復習方法まで含めて詳しく整理しています。
日々の勉強を見てもらえていない場合は、模試の重要度が上がる
一方で、学校や塾が普段の勉強の中身まで細かく把握していないこともあります。
その場合、先生側から見ても、
- 模試の偏差値
- 判定
- 得点
- 順位
といった数字は、客観的に学力を確認できる重要な材料になります。
そのため、
「模試の判定なんて意味がない」
ということでもありません。
模試だけで決めるのではなく、普段の学習状況と合わせて見る。
この考え方が大切です。
自分だけでは志望校判断が難しい場合は、模試の判定だけではなく、普段の勉強の進め方や理解度まで見ている先生に相談すると、判断材料を増やすことができます。
普段の学習状況まで見てもらえる環境を探すときは、「浪人生の塾・予備校の選び方」も参考にしてください。
志望校を下げる・変えることを考えるのはどんなとき?
高い志望校を設定したからといって、最後まで絶対に変えてはいけないわけではありません。
実際に勉強した結果を見ながら調整することも必要です。
必要な行動を長期間続けられていない
本人は、
「絶対にこの大学に行きたい」
と言っている。
しかし、
必要な勉強量を確保しない。
課題をやらない。
苦手から逃げる。
指摘を修正しない。
という状態が長く続いている。
この場合、能力以前に、その大学を目指すために必要な行動ができていません。
「行きたい」という言葉だけで志望校を維持するのではなく、言動が伴っているかを見る必要があります。
学力差が縮まっていない理由が見えてきた
単に模試がE判定だから、という話ではありません。
日々の勉強を見ながら、
必要な課題量をこなせていない。
理解の速度が追いついていない。
既習範囲の穴が埋まらない。
必要な問題レベルまで進めない。
といった状況が続けば、現実的な見直しが必要になることもあります。
その場合も、
「無理そうだから下げる」
ではなく、なぜ差が縮まっていないのかを具体的にしたうえで判断することが重要です。
9〜10月になって第一志望をこのまま追うか迷っている場合は、浪人生の秋からの勉強法で、模試の判定だけでなく、残された時間や必要科目、第二志望以下への影響まで含めた考え方を整理しています。
本人自身の気持ちが変わった
浪人開始時には、
「絶対にこの大学へ行きたい」
と思っていた。
でも勉強を続ける中で、
「自分は本当にこの大学へ行きたいのだろうか」
と気持ちが変わることもあります。
それ自体は悪いことではありません。
大学について調べた結果、別の大学の方が魅力的に感じることもあるでしょう。
自分のやりたいことが変わることもあります。
志望校を下げる・変えることを、
「逃げ」
「敗北」
と決めつける必要はありません。
大切なのは、自分で納得して選ぶことです。
それでも本気で行きたいなら、挑戦していい
現実的に見れば厳しい。
今の学力だけを見れば、かなり距離がある。
それでも、
本人の言動が伴っている。
必要な勉強を続けている。
指摘されたことを修正している。
そして本人自身が、
「それでもここへ行きたい」
と思い続けている。
その状態なら、周囲が最初から本人の限界を決める必要はないと思います。
もちろん、
「大丈夫、絶対受かる」
と根拠なく励ますこととは違います。
厳しいことは伝える。
必要な勉強量も伝える。
今のままでは届かないことも伝える。
そのうえで、それでも挑戦するのであれば、本人が持っている力をできる限り伸ばし、合格できる可能性を最大限高めていく。
それが一つの考え方です。
ただし、第一志望へ挑戦することと、受験校すべてを強気にすることは別です。
第一志望は高く持ちながら、併願校や安全校は現実的に組む。
そのように受験全体のリスクを管理することも必要です。
第一志望以外をどのように組むか、滑り止めを何校受けるか、過去問や受験日程まで含めて考えたい場合は、浪人生の併願校・安全校はどう決める?滑り止めの選び方と受験日程の組み方で詳しく整理しています。
まとめ|志望校を上げるなら「一年あるから」ではなく「そこまでやる覚悟があるか」
浪人したからといって、志望校を大きく上げられるのが普通ではありません。
だから、
「一年あるから早慶へ」
「せっかく浪人するなら2ランク上へ」
「GMARCHに受かりたいなら早慶を目指そう」
と単純に考える必要はありません。
まず見るべきなのは、
- 現役時代に実際にどこまで合格できたか
- 学習の土台となる力があるか
- 必要な勉強量を継続できるか
- 指摘を受けて修正できるか
- 言葉だけでなく行動が伴っているか
- その大学へ本当に行きたいのか
です。
そのうえで、どこまで上を目指すのかを考えてください。
高い志望校を設定すること自体が悪いわけではありません。
ただし、高い目標には、それ相応の要求がついてきます。
そして、その要求を実際に受け入れて行動できるのであれば、最初から可能性を閉じる必要もありません。
現実を見ることと、可能性を最初から諦めることは別です。
今の自分からどこまで届きうるのか。
そのために、どこまでやる覚悟があるのか。
志望校を決めるときは、その両方を考えてみてください。
この記事を書いた人
大学受験指導歴 約20年。集団授業・少人数指導・個別指導・学習管理・自習指導・オンラインなど、さまざまな形式で高校生・浪人生の受験指導に携わってきました。
「誰にでも同じ正解があるわけではない」という考えのもと、現場での経験と公式情報を分けながら、受験生が自分に合う選択を考えるための記事を執筆しています。
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高い志望校を目指すなら、「何時間やればいいか」ではなく、現在地との差を埋めるために必要な勉強量から考えることが大切です。
→ 浪人生の勉強時間の考え方を見る
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志望校を変える前に、今の勉強が結果につながっていない原因を一度整理してみましょう。
→ 浪人生の成績が伸びない原因を見直す