【浪人生向け】塾・予備校の選び方|失敗しないためのポイント

開いた本と羅針盤、淡い青のレティクルを刻んだガラス板を背景に「塾選びで失敗しないために 自分に合う塾・予備校の見つけ方」と書かれたアイキャッチ画像 塾・予備校選び

浪人することになって塾や予備校を探し始めると、

「合格実績が一番いいところがいいのかな」

「有名な先生がいる予備校の方が安心?」

「面倒見がいい塾って、何をしてくれるんだろう」

と迷う人は多いと思います。

ただ、すべての浪人生にとって一番いい塾・予備校があるわけではありません。

授業をたくさん受けた方がいい人もいれば、授業は必要最低限で、自習の計画や進め方を見てもらった方が伸びる人もいます。

質問できる環境が必要な人もいれば、自分で教材を進めることには困っていない人もいるでしょう。

だから、塾を比較する前にまず考えたいのは、

「自分一人では何が難しいのか」

です。

その部分を補ってくれる環境を探す。

塾・予備校選びは、ここから始めた方が失敗しにくくなります。

塾・予備校を探す前に「自分に何が足りないか」を整理する

同じ浪人生でも、塾に求めるものはかなり違います。

たとえば、

  • 何を勉強すればいいのか分からない
  • 計画を立てても途中で崩れる
  • 勉強方法が合っているか判断できない
  • 分からない問題を放置してしまう
  • 自習を続ける環境が必要
  • 志望校までの戦略を相談できる人がほしい

など。

ここを整理せずに、

「有名だから」

「合格実績がすごいから」

「友達が通っているから」

という理由だけで決めると、入ってから

「自分が困っていたところは、実は何も解決していなかった」

となることがあります。

たとえば、学習計画を一人で作れない人が、授業中心の予備校に入っても、授業以外の勉強をどう進めるかという問題は残るかもしれません。

逆に、計画も自習も自分で進められる人なら、細かな学習管理までついた塾に高い費用を払う必要はない場合もあります。

自分でどこまで管理できれば十分なのか、逆にどんな状態なら第三者の学習管理を使う価値があるのかは、浪人生に学習管理は必要?向いている人と塾選びのポイントで詳しく整理しています。

塾・予備校を比較する前に、まず「自分一人では何が難しいのか」を整理する。

そのうえで、それを補える環境を探す。

「何が難しいのか」を感覚だけでは整理しにくい場合は、受験勉強で「どこで止まっているか」を確認する方法で、実際の学習を記録しながら確認してみてください。

宅浪と塾・予備校のどちらが合うのか自体で迷っている場合は、宅浪と塾・予備校の判断基準から整理すると分かりやすいと思います。

浪人生が塾・予備校を選ぶときに確認したい5つのポイント

ここからは、実際に塾・予備校を比較するときに見ておきたいポイントを5つに分けて考えます。

① 自分の課題を見つけられるように指導してくれるか

良い指導というと、

「先生が弱点を見つけてくれる」

「次に何をやるべきか教えてくれる」

ことを想像するかもしれません。

もちろん、それもサポートの一つです。

ただ、受験勉強を長く続けることを考えると、さらに一歩進んで、

指導を受けながら、自分でも課題と改善策を考えられるようになるか

を見たいところです。

たとえば英語長文で点数が取れなかったとき、

「長文が苦手だから、もっと長文を解こう」

だけでは原因分析として十分ではありません。

  • 単語で止まっているのか
  • 文構造を取れていないのか
  • 読む速度が遅いのか
  • 内容は読めているのに設問を落としているのか
  • 時間配分に問題があるのか

原因によって次にやることは変わります。

浪人中に成績が伸びないときの原因の切り分け方については、「浪人生の成績が上がらない原因と見直し方」でさらに詳しく解説しています。

先生から毎回答えだけを渡されるより、

「なぜ今回は点が取れなかったと思う?」

「次は何を変える?」

と一緒に考える機会がある方が、少しずつ自分でも修正できるようになります。

指導の状態を大まかに分けるなら、

指導を通して、自分で課題と改善策を考えられる
> 先生が毎回課題と改善策を提示してくれる
> 振り返り自体がほとんどない

という順番で考えています。

説明会では、たとえばこんなことを聞けます。

  • 模試や過去問を受けたあと、どのように振り返りますか?
  • 生徒自身が原因や改善策を考える機会はありますか?
  • 成績が予定通り伸びなかった場合、誰と何を見直しますか?

「面倒見がいいです」という言葉だけより、実際にどんなやり取りが行われるのかを聞いた方が、その塾の指導が見えてきます。

② 授業以外の勉強まで見てもらえるか

受験勉強は、授業を受けている時間だけで進むものではありません。

授業のあとに、

復習する。

問題を解く。

暗記する。

間違えた問題をやり直す。

次の課題を進める。

こうした自習の時間がかなり大きな割合を占めます。

だから、

「どんな授業を受けられるか」だけでなく、「授業以外の時間をどう進めるのか」まで考える必要があります。

特に、

  • 自分で計画を立てるのが苦手
  • 計画を立てても遅れやすい
  • 何をどこまで進めればいいのか分からなくなる

という人は、授業外の学習を誰がどこまで見てくれるのか確認しておきたいところです。

説明会では、

  • 普段の学習計画は誰が決めますか?
  • 計画より遅れた場合、誰が気づきますか?
  • 模試で見つかった弱点は、普段の勉強にどう反映されますか?
  • 授業がない日の勉強についても相談できますか?

などを聞いてみると分かりやすいです。

浪人生の勉強時間や1日のスケジュール自体がまだ曖昧な場合は、浪人生の勉強時間と1日のスケジュールの考え方も参考にしてください。

学習計画の作成や日々の進捗確認など、授業以外の支援を重視して塾を探す場合は、学習管理型塾15サービスの比較記事で、各サービスの管理方法や支援範囲を確認できます。

→ 浪人生向け学習管理型塾を比較|毎日管理・計画・質問・科目指導で選ぶ

③ 本当に質問しやすい環境か

多くの塾・予備校では、

「質問できます」

と案内されると思います。

ただ、確認したいのは制度があるかではなく、実際に質問できる状態になっているかです。

たとえば、

  • いつ質問できるのか
  • どこで質問するのか
  • 誰に質問するのか
  • 予約が必要なのか
  • 混雑するとどのくらい待つのか
  • 授業を担当していない先生にも聞けるのか
  • オンラインやチャットで質問できるのか

によって、使いやすさはかなり変わります。

説明会で、

「普段、生徒はどこで、どんな流れで質問していますか?」

と聞いてみるのもいいでしょう。

可能なら体験時に、実際に在籍生が先生へ質問している様子があるか、先生へ声をかけやすそうな雰囲気かも見てみてください。

質問制度が立派でも、自分が使えなければ意味がありません。

オンラインで質問対応や科目指導を受けたい場合は、質問方法だけでなく、学習計画や進捗管理との組み合わせも比較しておきたいところです。

→ 浪人生向けオンライン塾を比較|授業・学習管理・質問対応から選ぶ

④ 自習環境が自分に合っているか

浪人生は、自習室でかなり長い時間を過ごすことがあります。

そのため、自習環境も塾選びでは無視できません。

ただ、

個別ブース型の自習室なら必ず優れている

というわけでもありません。

周囲が視界に入らない方が集中しやすい人もいれば、ある程度人の気配がある場所の方が集中できる人もいます。

実際の入試会場では、周囲にも受験生がいて、物音も完全にはなくなりません。

そのため、人の気配がある場所でも集中する経験を積むことが、自分にとってプラスになる場合もあります。

見るべきなのは設備の豪華さではなく、

自分がそこで長時間、安定して勉強できそうか

です。

体験や見学では、

  • 座席は十分にあるか
  • 周囲の音は気にならないか
  • 長時間座っていて疲れないか
  • 休憩できる場所はあるか
  • 食事はどこで取れるか
  • スマートフォンなどで気が散りやすい環境ではないか
  • 自分が毎日ここへ通う姿を想像できるか

なども見てみてください。

⑤ 自分のことを理解したうえで受験戦略を相談できる人がいるか

浪人生活では、

「この参考書を続けるべきか」

「志望校を変えるべきか」

「この時期に過去問へ進んでいいのか」

「今の成績でこのまま進んで大丈夫なのか」

など、途中で判断に迷う場面が何度も出てきます。

そのときに欲しいのは、一般的な受験情報だけではありません。

今まで何を勉強してきたのか、どこでつまずいているのか、最近どんな状態なのかを知ったうえで相談できる人

がいるとかなり違います。

志望校そのものを上げる・下げる判断については、『浪人で志望校を上げるときの考え方』で詳しく整理しています。

たとえば、面談のたびに、

「今は何の教材を使っていますか?」

「最近どうですか?」

から毎回説明し直さなければならない状態と、

担当者が最近の模試結果や教材の進み具合まで把握した状態で、

「前回ここを変えたけど、その後どうだった?」

から話が始まる状態では、相談の質も変わります。

「困ったときに、この人に相談すれば何かが動き始める」

そう思える人がいるかどうかは、浪人生活を支える大きなポイントになります。

説明会では、

  • 担当者は固定ですか?
  • 普段の学習状況は、どのように担当者へ共有されますか?
  • 面談はどのくらいの頻度で行いますか?
  • 計画を変更する必要がある場合、誰が判断しますか?
  • 保護者への学習状況の共有は、どのように行われますか?

といった点も確認できます。

集団・個別・学習管理型など、どの指導形式が自分に合うのか迷っている場合は、浪人生向けの塾・予備校タイプ比較で詳しく整理しています。

合格実績・講師・料金は「数字だけ」で判断しない

塾・予備校を比較するとき、どうしても目に入りやすいのが、

合格実績・講師・料金

です。

もちろん、どれも判断材料にはなります。

ただ、表面に出ている数字だけでは分からないこともあります。

合格実績は「母数」と「集計方法」まで見る

「難関大学に100名合格」

と書かれていると、かなり実績があるように見えます。

ただ、

在籍生200人のうち100人なのか。

5,000人のうち100人なのか。

では意味がかなり変わります。

また、

  • どの校舎・コースを含んだ数字なのか
  • 現役生と浪人生を合わせているのか
  • 一人で複数大学に合格した場合はどう数えているのか

など、集計方法によって見え方も変わります。

合格実績を見るなら、

「何人受かったか」だけでなく、「どのくらいの生徒がいて、どう集計された数字なのか」

まで確認したいところです。

合格者数だけでなく、校舎・コースとの関係や「その合格事例が現在の指導にどう生かされているか」まで確認したい場合は、予備校・塾の合格実績の見方で詳しく整理しています。

説明会では、

「この実績は浪人生だけの数字ですか?」

「この校舎だけの実績ですか?」

「在籍していた浪人生は何人くらいですか?」

と聞いてみると、数字を判断しやすくなります。

有名講師より「自分が実際に受ける授業」を見る

有名な先生が在籍していることも、塾・予備校の魅力の一つです。

ただ、

その先生がいることと、自分が実際にその先生から教わることは別です。

パンフレットや広告に載っている講師が、自分のコースや校舎では授業を担当しないこともあります。

また、授業数が多ければ多いほどいいわけでもありません。

授業を1つ増やせば、その分だけ、

  • 授業を受ける時間
  • 復習する時間
  • 問題を解き直す時間

も必要になります。

授業を入れた結果、自分で勉強する時間が足りなくなるなら逆効果です。

説明会でもらった時間割を見るときは、授業時間だけでなく、

「この授業を復習する時間をどこに入れるのか」

まで実際に考えてみるといいでしょう。

大手予備校のような集団授業と、自分に合わせて進めやすい個別指導のどちらを選ぶか迷っている場合は、浪人生は大手予備校と個別指導どっち?向いている人と違いを比較で、それぞれの向き・不向きを詳しく整理しています。

料金は「年間総額」と「何に払うか」で見る

料金も、単純に高い・安いだけでは判断できません。

見るべきなのは、

受験が終わるまでにいくらかかるのか

と、

そのお金で何をしてもらえるのか

です。

授業料以外にも、

  • 入会金
  • 教材費
  • 設備費
  • 模試代
  • 夏期・冬期講習
  • 直前講習
  • オプション指導

などが追加される場合があります。

説明会では、

「今入塾した場合、受験が終わるまでに必要になる費用を、追加講習なども含めて総額で教えてください」

と聞いてみると分かりやすいです。

さらに契約前には、

  • 途中で退塾した場合の扱い
  • 返金に関する規定
  • 一括払いした場合の扱い
  • コース変更ができるか

なども確認しておきましょう。

料金の詳しい考え方については、浪人生の予備校・塾費用と追加料金の注意点で整理しています。

体験では「授業の分かりやすさ」以外も見る

体験授業を受けると、

「授業が分かりやすかった」

「先生が面白かった」

という部分に目が向きやすいと思います。

もちろん、それも大事です。

ただ、浪人生の場合は、授業以外の時間も含めて長期間その環境を使うことになります。

体験や見学では、

  • 先生に声をかけやすいか
  • スタッフと在籍生の距離感はどうか
  • 生徒が実際に質問しているか
  • 自習室の雰囲気は自分に合うか
  • スタッフが生徒の状況を把握していそうか
  • 長時間過ごしても疲れにくそうか
  • 自分がここへ毎日通う姿を想像できるか

といったところも見てみてください。

施設が新しい。

自習室が豪華。

先生の話が上手い。

そうした分かりやすい魅力だけでなく、

「ここで一年間、自分が実際に勉強を続けられそうか」

という感覚もかなり大事です。

こんな塾・予備校は慎重に考えたい

最後に、説明会や体験で少し慎重に考えたいケースも挙げておきます。

質問しても具体的な説明が返ってこない

たとえば、

「学習管理はしっかりしていますか?」

と聞いたときに、

「もちろん、しっかり見ます」

だけで終わる。

「質問できますか?」

と聞いて、

「いつでもできます」

だけで終わる。

これでは、実際の運用が分かりません。

こちらが具体的に聞いても、

誰が・いつ・どのように対応するのかが分からない

のであれば、一度立ち止まって考えてもいいでしょう。

何を質問すれば塾の実態が見えやすいのか、メリットだけでなくデメリットや成績が伸びなかった場合の対応まで確認したい場合は、予備校・塾の説明会で何を聞く?質問例と入塾前のチェックポイントで詳しく整理しています。

即決を条件に大きな割引を提示される

説明会当日に、

「今日入会すれば入会金が無料」

「今ここで決めれば大幅に安くなる」

といった条件を提示される場合もあります。

割引自体が悪いわけではありません。

ただ、塾選びは一年間の受験生活を左右する大きな選択です。

本来なら、

比較する。

体験する。

家族と相談する。

必要なサポートを考える。

そうした時間があってもいいはずです。

「その費用が本当に必要なものなら、なぜ今日だけ大幅に安くできるのだろう?」

くらい、一度考えてみてもいいと思います。

焦って決める必要はありません。

課題が出るたびに「授業を増やしましょう」だけで終わる

成績が伸びない。

苦手科目がある。

模試で点が取れなかった。

そのたびに、

「講座を追加しましょう」

という提案だけが出てくる場合も注意したいところです。

必要な授業なら受ければいい。

ただ、その前に、

なぜ点が取れなかったのか

を分析する必要があります。

勉強量なのか。

理解不足なのか。

演習不足なのか。

時間配分なのか。

原因を整理した結果として授業が必要なのかを見たいところです。

自分のことを継続して見てくれる人がいない

授業の先生はいる。

質問する先生もいる。

面談担当もいる。

それでも、

自分の受験勉強全体を知っている人が誰もいない

という状態になることがあります。

誰か一人がすべてを担当する必要はありません。

ただ、

「最近どんな勉強をしているか」

「どこで困っているか」

「今の計画はどうなっているか」

を把握したうえで相談できる人はいた方がいいでしょう。

理想は、

「困ったときに、この人に相談すれば何かが動き始める」

と思える人がいることです。

なんとなく「ここでは続かなそう」と感じる

これは数字では測りにくい部分です。

説明も丁寧。

料金も問題ない。

設備も整っている。

それでも、

「なんとなく話しにくい」

「ここに毎日来るのはしんどそう」

と感じることがあります。

もちろん、第一印象だけで全部決める必要はありません。

ただ、塾・予備校は一年近く通う可能性のある場所です。

相性や雰囲気も、無視しなくていい判断材料

だと思います。

まとめ|「一番いい塾」ではなく「自分に必要な塾」を選ぶ

浪人生の塾・予備校選びでは、

有名かどうか。

合格実績が多いか。

授業がたくさんあるか。

料金が安いか。

だけを見ても、自分に合う塾は決まりません。

先に考えたいのは、

「自分一人では何が難しいのか」

です。

そのうえで、

  • 自分で課題を考えられるようになる指導があるか
  • 授業以外の勉強まで見てもらえるか
  • 本当に質問しやすいか
  • 自習環境が自分に合うか
  • 自分のことを理解したうえで相談できる人がいるか

を確認する。

合格実績や料金を見るときも、表面の数字だけで決めず、その中身まで見る。

そして、できれば説明会だけで決めず、実際に体験してその環境を自分で確かめる。

「どこが一番有名か」ではなく、「自分に足りないものを、どこなら補えるか」。

その視点で選ぶと、自分に合う塾・予備校を見つけやすくなると思います。

自分に必要な支援が見えてきたら、大手予備校・学習管理型・オンラインなどの選択肢から、実際に比較する候補を3〜5校まで絞ってみましょう。

→ 浪人生におすすめの予備校・塾|必要な支援から比較候補を絞る

この記事を書いた人

大学受験指導歴 約20年。集団授業・少人数指導・個別指導・学習管理・自習指導・オンラインなど、さまざまな形式で高校生・浪人生の受験指導に携わってきました。

「誰にでも同じ正解があるわけではない」という考えのもと、現場での経験と公式情報を分けながら、受験生が自分に合う選択を考えるための記事を執筆しています。

→ 受験の羅針盤の運営方針・編集方針を見る

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